水の上で暮らす。雪のあるところで暮らす。

 今回はトンレサップ湖上で暮らす人々のところにも物資を配りました。 私たちが船着き場に行くとあっという間に次々と女性たちが手漕ぎの舟で集まってきました。 この情報伝達の速さにはいつもビックリします。“電波”よりよっぽど速いと思います。 

 ところで、湖上生活は水には困らないので便利だと思いますが、 その生活の場を実際に目にすると「なぜか水の上で暮らしているんだなぁ」としみじみ。 そうしみじみしている私は、冬になると雪で白くなるところに暮らしています。 手漕ぎ舟で集まってきた元気で逞しい女性たちには、「なぜか雪のあるところで暮らしているんだな」と、 私の生活は想像できないかもしれません。 

 私は医療のNPOで海外に行った時に「どこの国に生まれるかで人生違うな」 と日本では助かる病気で亡くなっている現状にショックを受けたことを思い出しました。 日本に生まれたら「どこで暮らすか」の選択肢もあります。今の時代は海外で暮らすことも選べます。 “お出かけしたい病”の私は、日本の諺の「住めば都」を考えながら、 世界中を見ると人間ってけっこういたるところで暮らしているものだと改めて感心しました。 そんな、暮らす場所について考えたトンレサップ湖訪問でした。




文:越後早苗
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 「カンボジアでマラソン走らない?」と誘われて、私は初めてのカンボジア行きを決めました。 大学の同期である福一が、学生の頃からカンボジアにボランティアに行っていることは知っていましたが、 今までは参加することはありませんでした。学生時代にはお金がない、社会人になれば時間がないと誘いを断っていましたが、 今回タイミングがよかったこともあり、半ば勢いで参加を決めました。 当初、マラソン主体のつもりで参加させていただいた私ですが、3泊4日のカンボジアでの活動を通して「もっと早くに経験しておけばよかった」というのが正直な感想でした。

 1日目の夜にカンボジアへ着いて、まず、「思っていたよりも栄えているのかな」と感じました。 きれいに整備された空港、空港からホテルまでの道中も道沿いの建物の数は少し寂しいものの道路はしっかりと整備されており、 ホテル周辺は商店が立ち並び、人通りも多く、私の思い描いていたカンボジアのイメージとは少し違ったものでした。 正直、空港やホテルももっと雑然としていて、道も走ればガタガタと大きく揺れるほどに荒れているのだと思っていたため、驚く半面、少しほっとしていました。

 2日目は村の学校へ運動会と物資の配布へ行きました。ホテルのある市街地から離れていくほど、車はガタガタと大きく揺れ始め、 カンボジアのインフラ整備の実情が少し垣間見えました。 小学校へ着いて子どもたちを見て、「小学校へ行く年齢の子かな?」と思っていました。 あとになってえちさんに聞きましたが、栄養が不足して成長が遅れているということ。やはり、空港やホテルが整備されていても、 人に対する支援が不足しているのだと感じました。しかしながら運動会では、先生の指示のもと子どもたちがルールを守りながら元気に走り回っていました。 無邪気に遊ぶ子どもたちを見て純粋に可愛いなぁと感じたのと同時に、しっかりとルールを守って動く子どもたちを見て、 1日目と同様に「思ったより教育も行き届いているのかな」と思っていました。 物資の配布では、いきなり「一人で配ってきてください」と言われたときは、正直焦りました。 恐る恐る教室に向かいましたが、先生が手助けしてくれたこともあり、何とか無事に配ることができました。 子どもたちも、みんな物資に群がってくるのだろうと勝手に予想していましたが、実際には大人しく順番を待ち、 中には自分からは来ずに周りに背中を押されてやってくる子もいました。物資を手渡すとしっかりとお礼を言って受け取ってくれました。 そのあとに行った地雷博物館は、『知っているようで知らなかったこと』を少しだけ知る機会になりました。

 3日目は、この日も朝から村の小学校へ行き物資を配りました。 2日目と違ったのは、小学校までの道がまったく整備されていない道がほとんどであったこと、 そして2日目の小学校とは違い、村の中にあるような少し小さな小学校であったことです。 実際に物資を配り始めると、さらに様子が違いました。みんなが物資に群がってくること、 そして子どもの親たちも物資を力づくで取っていこうとすることです。 2つ目の村でも様子は変わらず、子どもたちも我先にと物資を取りに来てもみくちゃになっている様子を見て、 日本との違いに驚いたのと同時に、この活動の必要性を大きく感じました。 この日は水上(湖上?)生活をしている村にも行きました。 そこでは物資として用意したお米の袋をみんなが奪い合い、破れてお米がばらまかれてしまうほどでした。 それを必死に現地でドライバーをしてくれたムーンさんが止めていました。その様子を見て、私は少し悲しい気持ちになりました。 物の豊かさがすべてとは思いませんが、物の豊かさは大きく心の豊かさに影響するのだなということを痛感しました。

 4日目は早朝からマラソンに向かいました。辺りが暗いうちから走り出し、昼前には全員がゴールしました。 走る前はフルマラソンでもよかったのに、なんて思っていましたが、終わった時にはハーフでよかったな、と痛感しました。 その後、アンコールワットなどの遺跡観光をさせてもらいました。少し駆け足ではありましたが、カンボジアにさらに興味を深めることができました。

 この旅を通して、多くのことを経験できました。一番に痛感したのは、『実際に目にすること』の重要性です。来る以前から話はいろいろと聞いていましたが、 やはり実際に目にしているからこそ感じること、伝聞では伝わらないことがあるのだと強く感じました。また、この4日間で『共に歩こう』の活動の意味、 必要性についても考えさせられました。正直、やられているのは大きなことではないと思います。しかしながら、活動中にメンバーの方たちの思いを聞き、 そして活動する中で出会った人々の顔を見る中で、この活動には大きな意味があるのだと感じました。 何事もそうだとは思いますが、『何もやらないより、何かやる』ということが大事なのだということを改めて学ぶ機会になりました。 たったの4日間でもカンボジアのいろいろな側面が見えたような気がしました。観光地としてのカンボジアを見た市街地、貧困問題の残る郊外の村、 また同じ郊外の村でも教育や経済の格差など様々でした。おそらく私はまだカンボジアについて多くを知らない状態です。 なので、また機会に恵まれれば参加させていただきたいと思います。

 最後になりますが、何から何までお世話していただいたかずママ、千代ちゃん、福一、をはじめ、一緒に4日間を過ごしていただいた方々、 そして現地でお世話になった方々に感謝いたします。ありがとうございました。




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 カンボジアボランティア日記

 はじめはカンボジアと聞いてテレビ番組の海外過酷ロケてきなものを想像していましたが、 空港近くの都市は繁華街もあり栄えており、ホテルもリゾート風のホテルで清潔感もあり想像していたものとまったく違うものでした。 空港からの移動のトゥクトゥクに乗るのは初めてでのっけからわくわくした旅(ボランティア)でした。 食べ物は香草を使っているものが多かったですが、そこまでエスニックな感じはなく食べやすかったです。

 旅行中はかずママのズバ抜けたコミュニケーション力、福一さんのおもてなし力、また、 現地にもお知り合いがたくさんいらっしゃったので、カンボジアに来たからといって特に何の不安もありませんでした。

 肝心のボランティア活動ですが、これは本当にテレビ番組で出てくるような周りに何もない村や学校に初めて行き、 日本の教育環境しか知らない私は子供たちの勢いに圧倒されていました。 あと、学校は物資を配るときにある程度秩序があるのですが、おそらく教育が行き届いていないであろう村で物資を配るときはかなりカオスです。。。 でも子供たちはみんな日本よりも全然フレンドリーで、手を振ると振り返してくれます。とてもかわいいです。

 今回は地雷博物館、トゥールスレン、キリングフィールドとカンボジアの歴史もしっかりと学ぶことができ、価値観が変わるほど衝撃を受けました。 今回参加させて頂いた、ボランティア活動の印象は非日常的で体力も必要なボランティアとそれが終わってからはきちんと観光があり、1日1日が大満足なものでした。 マッサージが60分1000円程度と激安でとてもよかったです。

 最後になりましたが、旅行当日までたくさん面倒を見ていただいた今村千代さん、 当日いろいろエスコートしてくださったかずママ、福一さん、そして、やさしく楽しいメンバーのみなさん、ずっと記憶に残る経験となりました。 ありがとうございました。




 
文:石橋道政
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 わたしは初めて共に歩こうファミリーのメンバーとしてカンボジアでのボランティア活動に参加させていただきました。 最初は友だちや知り合いが1人もいなくて、周りのメンバーと仲良くやっていけるかすごく不安でしたが、 みなさんが温かく迎えてくれたおかげで楽しいカンボジア生活を送ることができました。

 カンボジアでは大変だったこと、楽しかったことなど、とても貴重な体験をたくさんすることができました。 大変だったことは、小学校や村で古着やお菓子などの物資を配ったことです。 子供たちが必死になってわたしに手を伸ばしてきて、平等に1つずつ渡すことが大変でした。 しかし、もらった後に笑ってオークンと言ってくれてその笑顔を見るとわたしもすごく嬉しくなり元気をもらえました。

 楽しかったことはたくさんあります。ボランティア活動の合間に買い物に行ったこと、 ホテルのプールに入ったこと、初めてトゥクトゥクに乗ったこと、現地の食事がすごく美味しかったこと、 たくさんありすぎて紹介しきれないくらいです。みんなで買い物に行ったり、 カフェでみんなと過ごした時間はわたしにとってすごく幸せな時間で、本当に楽しかったです。

 アンコールワットマラソンでは10kmコースを走りました。3キロまでは順調でしたが、それ以降ゴールまではすごく長い道のりでした。 沿道の応援に後押しされなんとかゴールできました。マラソン後の疲労感よりも走った後の達成感がすごく気持ちよかったです。 が、マラソンで全身筋肉痛になった後のアンコールワット観光はなかなか大変でした笑

 トゥクトゥクに乗っている時にかずママさんやえちさんと2人でお話ができました。 その話はのんびりと恵まれた環境で生活してきたわたしにはとても衝撃的でした。 自分にも何か手伝えることがあるのかと思った瞬間でもありました。 小学校やいくつかの村で出会った子供たちが健康で安全に暮らせるように、 カンボジアを支援する団体やボランティア活動の存在をもっといろんな人に広めていくことが今のわたしにできることかなと思いました。 将来その子供たちがカンボジアを今よりもっといい国にしてくれると信じています。

   カンボジアに行くと決めた時からお世話してくれたかずママさん、ちよさん、福一さん、 そして共に歩こうメンバーのみなさんをはじめこの旅で出会った素晴らしい方々、支援して下さった方々、そしてわたしの家族、 みんなのおかげでこのような素晴らしい経験をすることができ本当に感謝の気持ちでいっぱいです。 ありがとうございました!

 最後にカンボジアのみんながずっと笑顔でいられますように・・・



 
文:神谷侑希
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