共に歩こうファミリーのこれまで 【団体設立の経緯】


~古川和幸の死~

 2008年8月7日、古川和幸(1984.4.23~2008.8.7 清心保育園、高槻小学校、槻田中学校、小倉高校、福岡大学)という青年が脳腫瘍で亡くなりました。彼は生前、医師を目指して大学の医学部を受験していました。彼の目標は、医療環境の整っていない発展途上国などで働くことで、彼の口癖は「人の役にたちたい」でした。


~古川和幸の死後~

古川和幸は日ごろから自分の時間やお金を犠牲にしてでも、困っている友達や悩みを抱えている友達のために行動する人間でした。
そのため、彼の死後も、多くの友人が彼の実家などに頻繁に集まるようになりました。そのような場でポツリポツリと誰からともなく「和幸の死を無駄にしてはいけない。我々が今できることは和幸の『人の役に立ちたい』という意志を受けつぐことではないか」というような声が聞こえはじめました。そのような仲間が集まったのが『共に歩こうファミリー』です。


~共に歩こうファミリー~

この名前の由来は和幸の墓石の横に、友人からの寄付を集めて建てられた石碑にきざまれている「共に歩こう」という言葉です。この言葉は和幸の高校時代の友人が考えた言葉です。「和幸の魂はいつもそばにある」というのが友人たちの共通の認識で、そのような思いをふまえた言葉が「共に歩こう」です。


~共に歩こうファミリーの現在~

当初は和幸の友人やご家族だけで、各自が思いついた事を、各自で思い思いに動いておりましたが、最近、和幸と直接面識がない方々が、どこからともなく我々の話を聞き、共感していただき、支援をいただけるようになってきました。そのような事は我々としましては本当に不思議なことなのですが、そのような縁はすべて和幸がつなげてくれているのではないかと感じております。まさに『和幸』という彼の名前のとおり。人々の和が広がり、幸せを和して共有できたらと思っております。

共に歩こう会のこれまでの活動

 和幸と同郷で小・中・高校と全く同じ学校を卒業し、現在スーダンで医療活動をされている方に川原尚行医師がいらっしゃいます。和幸は生前、川原医師の講演会に参加するなどして、川原医師から多くの影響を受けておりましたが、和幸の闘病中には川原医師が直接和幸を激励に訪れて下さいました。
そのようなご縁で、当初は有志から集まった募金を川原医師が代表を務める『NPO法人ロシナンテス』に寄付してまいりました。和幸の一周忌に際して友人が主催して行った追悼式には、百名を超える人が集まり、その場でロシナンテスの活動発表を行うなどして多くの募金を集める事ができました。
 その後、和幸の高校時代の友人で、カンボジアに縁のある者の提案で、衣料品・文具・医薬品・食料品などをカンボジアに持参し、現地のコーディネーターの協力もあり、各村々や学校に直接渡してまいりました。
現在までに二回の訪問を行いましたが、初回の訪問では友人・知人からのみ集まった物資が、二回目の訪問では、学校や地域で集めていただいた物資を手渡すことができました。  
 また、皆様の支援金を利用し、現地の市場で野菜、米などを購入し、現地の子供達と一緒に料理を楽しみました。
それ以外の活動としましては、学校の道徳の授業で友人を亡くして知った事や共に歩こう会の活動をとりあげていただくようなこともありましたし、小倉の飲食店などにロシナンテスとカンボジアの子供の成長を支える会への募金箱を設置いただいております。

共に歩こう会の今後

  募金に関しましては、我々と直接面識がない方からのご支援に、その責任の重さを感じておりますが、その価値は言うまでもないことであります。
 現在の募金の使い道としましては、『ロシナンテス』と『子供の成長を支える会』への支援を考えております。
 『子どもの成長を支える会』とは我々の活動の中で知り合ったのですが、日本人の本田とも美さんを代表とした組織であります。『子供の成長を支える会』の活動内容は、カンボジアに施設を構え、家庭環境に恵まれない子供を集め、食・住を提供し、学校に通わせるというものです。施設の運営は日本からの募金によってまかなわれておりますが、カンボジアの子供が、食・住が与えられるという環境に甘えないように、「勉強を一生懸命してほしい」というような方針で勉強に関しては厳しい指導を行っており、施設の子供の成績は軒並み学校で上位を占めているようです。
 しかしながら、この施設は日本からの支援が減り、現在は本田さんの貯金を切り崩して運営されていますが、いよいよ存続が危ぶまれ、今年中、に施設を存続させることができるかどうかの決断を迫られている状況であります。したがって『子どもの成長を支える会』に対しても我々が少しでも力になりたいと考えております。
 このような多くの方々を巻き込んだ活動以外にも、和幸の友人・知人がそれぞれの分野(教育・メディア・医療・建設・芸術)を生かした個々の活動も行っていく予定です。

最後に

 このように、共に歩こうファミリーは流れの中で誕生とした組織であり、その活動もまだまだ発展途上でありますし、我々の想いを文章で伝えるのは中々難しいものでありますが、ご協力をいただければ幸いです。